“ワンダーボーイ”こと日本代表ＦＷ宮市亮（１９＝ウィガン）が苦悩している。高校在学中の２０１０年に名門アーセナル（イングランド）と電撃契約した超新星は、今季レンタル移籍したウィガンでも出場機会に恵まれない。欧州３季目を迎え、焦りとストレスを抱えるなか、宮市が救いを求めたのは“問題児”ＦＷ宇佐美貴史（２０＝ホッフェンハイム）。そこには意外な理由があった。

　宮市は今季リーグ３試合に途中出場し、プレー時間はわずか４２分間。しかも無得点と結果を残せないでいる。

「亮は常にポジティブで精神的にも強いが、出場機会が巡ってこない現状にはかなりフラストレーションを抱えている」と宮市の関係者は明かした。

　周囲が不安視するほど、落ち込んでいた宮市。救いを求めた相手は“問題児”と呼ばれるロンドン五輪代表ＦＷ宇佐美だった。

「最近は気心知れている宇佐美に頻繁に電話して、いろんな（悩み）話をしているそうだよ」（同関係者）

　宮市と宇佐美は“プラチナ世代”と言われる１９９２年生まれの同級生。各年代別代表でともに戦った戦友でもある。宮市にとっては「宇佐美は当時からドリブルもパスもうまくて本当にすごかった。同い年だけど、ライバルというか目標でしたね」と特別な存在だという。

　宇佐美は今季ホッフェンハイムでプレーするが、昨季までは名門バイエルン・ミュンヘン（ドイツ）に所属。そこでは世界屈指のスター選手とのポジション争いや名門クラブならではの重圧に苦しみ、なかなか出場機会が得られなかった。現在、同じような境遇にある宮市は同級生にアドバイスを求めたわけだ。

　ただ宮市は同じイングランドでプレーする日本代表ＭＦ香川真司（２３＝マンチェスター・ユナイテッド）とも親交が深い。悩み相談であれば、ビッグクラブでプレーする香川の方がふさわしいはずだが、そこには理由がある。

　日本サッカー協会の公認選手代理人は「一般的に、プロ選手というのは成功例よりも失敗例の方を参考にする傾向がある。成功パターンをマネても、うまくいかない場合が多い。失敗はマネしなければいいから…。香川じゃ参考にならないだろう」と解説。

　欧州での成功を目指す宮市にとって、今季が正念場。ここから巻き返しなるか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121104-00000308-tospoweb-socc

⇒乾貴士の苦悩