サッカーニュースを中心としたまとめ


2013年01月28日

image




ザックジャパンは、左右のSB同様、ダブルボランチについてもバランスを考えた起用がされている。スタメンの遠藤保仁も長谷部誠も攻守の両面において非常にバランスの取れた選手だ。ザッケローニ監督の構想の中では非常に重要な存在といえる。

 ボランチ、あるいはアンカーというのは、どんなチームであっても監督の考え方がもっとも出やすいポジションだ。ここに誰を起用するか、1枚にするのか2枚にするのかは監督の戦術の基本となる。

 ザックジャパンでは、遠藤はどちらかというと、守備よりもゲームを組み立てていく役割を担っているが、ザッケローニ監督としては、ボランチに遠藤のようなゲームメーカーをふたり置くという考え方はないだろう。ガンバ大阪でも、遠藤のパートナーには守備的なカバーができる明神智和が起用されることが多いように、代表では長谷部が守備的な役割を果たすことでバランスをとっているといえる。

 ただし、長谷部は守備だけ、遠藤は攻撃だけということでもない。どちらの選手も攻守両面でチームに貢献する。だから、長谷部についても、守備に専念させる感じではない。

 どちらかがバランスを取ってカバーに入り、どちらかが前に行く。性格的にも、ボランチは特にそうしたバランス感覚が求められる。もちろん、どんどん前に行く攻撃的な選手と、守備で汗をかいて貢献する選手という役割分担はあるが、ただ、あまりにもどちらかに固定してしまうと、ひとりを抑えられた時にもうひとりの選手が何もできないというリスクを背負うことになりかねない。

 つまり、遠藤がマンマークで抑えられた時は、長谷部が遠藤の代わりにゲームメイクができなければいけないし、その逆のケースにも対応できなくてはいけない。そういう攻守のバランスをとる必要がある。

 たとえば、プレミアリーグの強豪クラブでも、4-4-2のセントラルミッドフィルダーが非常に重要視されている。ジェラード(リバプール)が、自陣のボックスから相手のボックスまでをカバーしていると言われるように、このポジションの選手のプレイエリアは非常に広い。今、チェルシーだとブラジル代表のラミレスが中央のMFで起用されているが、ラミレスは攻撃参加もでき、守備もできる選手で、シュートも打ち、同時に味方のために汗もかく。

 このふたりのように、ボランチの選手も攻撃の時はペナルティエリアに入って行ける方がいい。攻撃の時、CBのふたりとSBのどちらかと、ボランチのふたりが自陣近くに残ると、守備は安定するが、そうすると前線の5人で攻めることになり、なかなか相手を崩すことはできない。やはり攻撃は6人目、7人目が絡んでこなければゴールにつながりにくいので、ボランチの選手がいい状況でボックスの中に入っていけるかどうかが今のサッカーの攻撃のカギといえる。

 昨季の広島や浦和もそうだったが、前線の選手がすべてマークにつかれたとき、手詰まりになってしまうケースがある。そのとき、後方の選手が前線に出て行って相手の守備ブロックにズレを生じさせることで、前線の選手達がフリーになれる。そういう動きが今のサッカーのボランチには要求される。

 ひとつのチームを組み上げる過程で、監督はいろいろなポジションのバランスと人間関係を考えながら、フォーメーションも含めて決めていくもの。ちょっと古い話になるが、私が現役のころのオフトジャパンでもそれは同じだった。

 まず左サイドにはMFラモス(瑠偉)さん、SB都並(敏史)さん、左FWにカズ(三浦知良)。今のザックジャパンと少し似ていて、左サイドがストロングポイントになっていたから、左から攻撃を構築することが多いチームだった。そして、右SBを誰がやるというと、あまり攻撃参加しないでバランスをとる(堀池)巧さん。右のボランチは吉田(光範)さん。左は森保(一)。基本的に、このボランチふたりが左サイドにずれてカバーしていく。

 なぜかというと、ラモスさんが左サイドでゲームを作ることが多いから、ラモスさんのカバーをまず森保がやる。その森保のカバーを吉田さんがする。だから、このチームが成り立つためには吉田さんと森保のダブルボランチがとくに重要だった。

 基本的には左で崩してチャンスをつくり、中央にFWの高木がいて、右MFの私も右サイドからゴール前に入っていく形だ。オフト監督は、そういうチームのつくり方をしていたのだと思う。こういった形も含めて、チーム全体のバランスをとるためにはいろいろな考え方がある。

 重要なのは、チームとしての長所をどこで作り出すか。攻守のバランスとよく言われるが、それは、個の能力として攻守のバランスが取れている選手を11人並べることではなくて、チーム全体としてバランスが取れればいいということだ。

 つまり、誰かが攻める分のリスクは、その近くに守れる選手がいればバランスがとれるという考え方。「ボールの扱いがうまい選手を11人並べてもダメ」というのがサッカーの指導者間でよく言われることで、さまざまなタイプの選手をどう起用するかが重要。そうした選手と選手の組み合わせを考えることが監督業の面白いところだと思う。

 サッカーでよく使われる「化学反応」というフレーズがあるが、これは、監督が考えもしていなかった選手同士の連携やつながりでチーム力が飛躍的にアップすることで、それがあるから監督は面白い。これは見方を変えると、選手がひとり変わるだけでバランスが崩れるということでもあり、そのバランスをどう取るかが監督の手腕や采配、選手交代の妙というやつでもある。

 同じ布陣のままで、同じポジション同士の選手を交代させても、持っている個性や、キャラクターが違うと、全体のバランスが崩れ、不安定になることも十分ありえる。

 反対に、どんどん前に行く選手ばかりを起用して、わざと自分たちのバランスを崩し、守備が手薄になったエリアを相手に攻めさせることもひとつの考え方ではある。つまり、相手もバランスを崩してこちらに攻めてくることになるので、そうやって打ち合いに持ち込むために意図的にバランスを崩すやり方もある。

 これは、バランスを整えることがすべてではなくて、バランスが重要だということを知っているからこそ、それをうまく利用して戦術を練っていくということ。そこには対戦相手のスタイルやフォーメーション、選手の配置も当然あるので、どういうところでバランスを取るのか、どういった選手起用がベストなのかということに、監督は常に頭を悩ませている。

 ザッケローニ監督が選手の個性や特徴、それぞれの関係性をどう判断しているのかを考えながら観戦すると、また新しい面白さがあるはずだ。







1 :SAMURAI footballers がお送りします 2013/01/28(火) 9:05:14.78 ID:0000001

さすが福田さん底が浅い......





引用元:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130127-00000302-sportiva-socc 










この記事へのコメント

コメント一覧

    • 1.  
    • 2013年01月28日 09:07
    •  ID:v.kZiiru0
    • マドリーのダブボラなんかが個人的な理想

      Xアロンソが組み立てをして守備もする基本的にあんま前に出ない。ケディラは守備の人でチャンスがあれば前にも飛び出すし、出たときに相手はマークで迷うんだよね
    • 2. うん
    • 2013年01月28日 09:42
    •  ID:WuOn5EGo0
    • 本田△がボランチに入って、まだ見ぬFW(巷で噂のスーパー高校生あたり)が入る。
      ブラジルWCはこれで一歩完成形に近づく。
    • 3. q
    • 2013年01月28日 11:35
    •  ID:B5lNX1rB0
    • 本田のボランチはダメ。崩壊する。アンカー入れれば何とかなるけど。

      日本代表で本田が中央、香川が左なのは、案外守備のせいじゃないかと最近思う。守備から入るイタリア人が監督だし。
      向こうが遅攻のとき代表では4411の形で守るけど、本田は2列目の守備の方法を知らないのでは?トップ下での守備は本田は上手いけど、2列目の守備では香川の方が上手い。ってか、本田はひどい。
      中田もCHとしては失格の烙印を押されたのは守備だし(マッツォーネ爺さんはアンカーを入れて安定させた)

      本田は2ボランチならトップかトップ下しか使えない。けど、その二つなら守備でも役に立つと思う。
    • 4.  
    • 2013年01月28日 11:39
    •  ID:lQ.Y977N0
    • あまりにも基本的なことばかりで何だこれはと思ったけど、
      サッカー見始めてすぐの人に向けた記事だと考えれば納得出来るね。
      ポジションの名前(ボランチとか)はあっても役割の名前(レジスタとか)はあえて使ってないようだ。

      俺は3センター好きだなぁ。セードルフピルロガットゥーゾとか、マルキージオピルロビダルとか。なんか良い意味で個性出る感じがする。5分だけでいいから本田遠藤細貝とか見てみたいっす。
コメントを残す
「※、米、>>」でコメント欄へのポップアップ付き安価が飛ばせます。
コメントフォーム
記事の評価
  • リセット
  • リセット

ページトップへ戻る