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3月12日、ミランをホームに迎えたチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦のセカンドレグ。誰もが待ち望んだそのゴールが生まれたのは、55分のことだった。

 ハビエル・マスチェラーノが矢のような出足でインターセプトしたボールが、アンドレス・イニエスタを経て、シャビ・エルナンデスの元へ渡る。シャビのラストパスがミランの左サイドバック、ケビン・コンスタンが懸命にのばした足先を抜けて、ペナルティーエリア内の右側で待つ背番号7へ通った直後、狙いすました左足シュートがゴール左隅に吸い込まれた。

 カンプノウの上空にこの日3度目となる怒号に近い歓声が響き渡る中、ダビド・ビジャは今にも泣きだしそうな表情で言葉にならない雄叫びを上げながら、両手をいっぱいに広げて猛然と走り出す。

 両膝でピッチにスライディングし、駆け寄ったチームメートに手荒い祝福を受けた後も溢れだす感情は止まらない。両眼を閉じ、天に向かっていっぱいに口を広げた彼は、まるでこの2年間に溜めこんできた全ての苦悩を吐き出すかのように、もう一度力いっぱいに吠えた。

■2年前のCL制覇以降、苦悩のトンネルに入り込んでいた。

 ビジャは前にも一度ピッチ上で同様の表情を見せたことがある。

 2011年5月、マンチェスター・ユナイテッドとのチャンピオンズリーグ決勝。2-1で迎えた69分、ペナルティーエリア手前からゴール右上へ、自身初のCL制覇を決めるダメ押しの3点目を流し込んだ直後にも、彼は同じく天に向かって雄叫びを上げながら、両膝でウェンブリーのピッチに2本の痕跡を残した。

 あのゴールから1年9カ月、ビジャはキャリアで最も苦しい時を過ごしてきた。

 昨季は先発機会の減少に加えてリオネル・メッシとの不仲疑惑まで騒がれる中、クラブワールドカップ準決勝のアルサッド戦で左すねの脛骨とひ骨を骨折。結果として昨年6月のEURO2012を棒に振ることになった。

 8カ月の沈黙を経て迎えた今季はレアル・ソシエダとの開幕戦で復帰を果たし、途中出場の9分後に自らの復帰を祝うゴールを決めた。2人の娘と妻の写真、そして「君達なしでは不可能だった」とつづったインナーシャツのメッセージを披露したこの夜、長らく続いた苦悩の日々は終わりを迎えたものと思われた。

■少ない出場機会のなかで得点を積み重ねてきたが……。

 だが、現実は違った。

 復帰から1カ月、2カ月が経過した後も一向にプレー時間は増えない。

 その後もビジャは限られた時間の中で持ち前の高い決定力を発揮し、このミラン戦前までにはメッシに次ぐチーム2位の12ゴールを積み重ねてきた。にもかかわらず、重要な試合では決まってペドロ・ロドリゲスやアレクシス・サンチェスが優先的に起用される。それは点取り屋の彼にとって受け入れ難い状況だったはずだ。

 それでも沈黙を貫くスペイン代表ストライカーの苦悩を代弁するかのごとく、国内メディアは「ビジャの我慢が限界に達しようとしている」と危機感を煽りはじめた。

■“移籍”の手札を胸に飲み込み、大一番で真価を発揮。

 そして今年1月、ついにビジャは沈黙を破る。ビラノバに対し、現状の扱いが続くようであれば移籍を検討する意思を伝えたのだ。

 この時ビジャの元にはアーセナルなど他国の複数のクラブからオファーが届いていたという。この頃からビジャの心は着実にバルサから離れはじめていた。

 2ゴールを追う背水の陣で臨んだミランとのセカンドレグにて、ビジャは本職のセンターFWで先発出場するチャンスを得る。

 自身が相手の両センターバックを引きつけることで、メッシのプレースペースを確保する。指揮官から課せられたタスクは、言わば「潰れ役」だった。だが彼はその役割を全うするだけでなく、数少ないチャンスを生かして決定的なゴールを決め、再び大舞台で自身の価値を証明してみせたのである。

■メッシありきのバルサにビジャの「未来」はあるのか?

 とはいえ、この日の起用法はあくまでも緊急時に用いるオプションの1つであり、この1試合によってビジャの立場が劇的に変わるとは考えにくい。

 世界最高のアタッカー、メッシが常に攻撃の中心に君臨するバルサにおいて、彼が持てる能力を存分に発揮できる機会は限られている。そしてそれが不満ならば、サミュエル・エトーやズラタン・イブラヒモビッチ、ボージャン・クルキッチらと同じく、他のチームに居場所を求めるしかない。それが現在のバルサにおける“9番(センターFW)”の悲しい宿命なのだ。

「こんな日には苦しかった日々のことを全て忘れることができる。今は未来のことしか頭にない」

 しかし、ウェンブリーの歓喜に匹敵する感情をもたらしたあのゴールも、彼とバルサの関係をつなぎとめるきっかけとなるかは分からない。

 彼が言う「未来」がバルサにあるのかどうか。それは本人にしか分からないことである。


(「スペインサッカー、美学と不条理」工藤拓 = 文)
記事全文 ⇒ http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130321-00000002-number-socc







1 :SAMURAI footballers がお送りします 

スタメンで90分出場するビジャが見たい。プレミア移籍はアリだと思う




2 :SAMURAI footballers がお送りします 

涙無しには読めません、、(;_;)




3 :SAMURAI footballers がお送りします 

かっこいい・・




4 :SAMURAI footballers がお送りします 

最高のストライカー ダビド・ビジャ もっと輝いてほしい。輝ける場所で。




5 :SAMURAI footballers がお送りします 

バルサの逆転劇の裏で展開された「バルサの9番」を巡る悲しいドラマ・・・いい!!!




6 :SAMURAI footballers がお送りします 

「“9番”の悲しい宿命」。まさにその通りだなあ。でもメッシと共存できると思うんだけどなあ。




7 :SAMURAI footballers がお送りします 

MVPトリオのゼロトップの復活は嬉しい!サンチェスも頑張って欲しい




8 :SAMURAI footballers がお送りします 

胸が締め付けられます。涙。




9 :SAMURAI footballers がお送りします 

もったいない。でもこれがメッシ中心のバルサ