皆さんは憶えているだろうか? 「SBイグナツィオ・アバーテ―FW本田」は完璧なサイドラインだった。その動きはシンクロナイズドスイミングのように息がぴったりで、互を補い合っていた。
アバーテがポジションを離れて上がると、本田は彼にスペースを空ける。もしくは走りながら、ボールを出す。彼らは、ごく自然にそんなプレーができていた――息が合わず喧嘩ばかりしているアレッシオ・チェルチとは大違いだ――。
右サイドの息の合ったプレーは、ミラン最大の武器だった。しかし残念ながら、この武器は2か月しかもたず、そのあと二度と取り戻すことはできなかった。
まず、アバーテが足の付け根の肉離れを起こして6試合欠場、その後は太ももに問題で5試合の欠場を余儀なくされる。本田もアジアカップのために戦列を離れ、復帰後はフィジカルコンディションが悪化。インザーギ監督の戦術的選択でベンチに座ることも多くなった。
こうして、右サイドのコンビはいつの間にか消滅し、本田のゴールは10月19日のヴェローナ戦で止まってしまった。
今シーズンのミランの最大の問題は、この唯一の武器であった右サイドを機能させ続けるための、代わりの選手がいなかったことにある。
とはいえ本来、このポジションは最も選手層が厚かったはずである。例えば、今冬にジェノアへ移籍(レンタル)したエムバイ・ニアング。彼はミランでは5試合、計89分間プレーして1ゴールも決めることはなかったが、ジェノアでは息を吹き返し、14試合で約1000分近い時間をプレー、ゴールも5本決めている。
昨夏、ミランはニアングへの数多くのオファーを断り、彼に懸ける姿勢を見せていたが、インザーギ監督は結局、彼を一度も主力とみなすことはなかった。
そして、最も顕著な例はやはりチェルチだろう。インザーギ監督は彼を高く評価し、何か月にもわたって口説き続けてきた。昨夏、チェルチがトリノからもっとビッグクラブに移りたいという希望を持っていると知った時から、インザーギ監督は彼の獲得を狙っていたのだ。
しかし、トリノのウルバーノ・カイロ会長がミランにとっては高すぎる移籍金を提示したことで、チェルチはアトレティコ・マドリーの選手となった。このマドリードでの日々は、チェルチにとって忘れてしまいたいようなものだった。そして1月に冬のメルカートが開くと、ついにミランへの移籍が実現したのだ。
もう一度活躍したい切望する選手と、彼を厚く信頼している監督。全てはうまくいくはずだった。しかし、チェルチはミランでも活躍できず、ゴールもできず、再びベンチを暖める日々が始まった。
インザーギとの蜜月関係はあっけなく終わり、試合後のロッカールームでは面と向かって罵り合う場面も見られた。おまけに怪我までしてしまい、希望に溢れたものとなるはずのシーズンは、チェルチにとっては最悪のままで終わろうとしている。
そして最後に、21歳のスペイン人プレーヤー、スソ。ほんの少し前までは、海のものとも山のものともつかない“未確認物体”だったが、3月にレッジャーナとの親善試合で活躍をしたことで、インザーギ監督は初めて彼の存在に気づいた。
スソは才能ある選手だったが、それまでその力を見せるチャンスに恵まれていなかった。それもこれも、インザーギ監督がボナベントゥーラを本来の中盤としてではなく、右サイドアタッカーとしてプレーさせてきたからだ。
とにかく、多くの混乱とミスが重なって、今のミランはでき上がった。その混乱ぶりは、ここに紹介した通り、右サイドひとつを取り上げただけでもよく分かるだろう。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
本田、ポーリ、アバーテの右サイドの3人は動き多いし、コンビネーションも良さそう。こういう組織を全体でも作れたらなあ。
— taka (@vlovolvlovo) 2015, 5月 17
ただ、ミランは攻撃で右サイドに固まりすぎ
ポストプレーで本田を使いたいって意図はわかるけど、逆サイドのボナベンさんがそのポジションにいちゃダメでしょ
— 井上こっそりさん (@i_beranme) 2015, 5月 17
ミランの右サイドの攻撃、かなりサッスオーロに警戒されてるな。本田に3人もついてたw
— mikito (@mikito_f) 2015, 5月 17
ミラン攻めも守りもいいところない。唯一本田とアバーテの右サイドの突破のみ
— バニィY (@wax_ao) 2015, 5月 17
しかし、本田は右サイドとして完成されてきたな〜。前は右足のクロスは力無かったのに、ローマ戦ではグラウンダーのクロスは凄いスピード・精度で決まり、2点目もヘッドにバッチリあてた。まだ成長してるんだね。この試合はBSでも放映したし、沢山の人が観たのかな。
#daihyo #日本代表
— reila (@motok1_reila) 2015, 5月 11
ミラン対サッスオーロ。一夜明けて本田の悪くなかった評が多いですが、シュートをもう少し増やしても良いかと思いました。例えばテベスは毎試合前半早いうちにリズムをつくるようにファーストシュート。右サイドの同僚たちからの信頼も厚そうなので、プレーの選択の割合で大分結果が変わりそう。
— tateishi (@tateishi_1) 2015, 5月 17
ミランの右サイド良い良い
— フィータン#CL制覇へALLEZ,PSG (@FitanxPSG) 2015, 5月 17
この記事へのコメント
コメント一覧
点は取れるんだから不用意な失点しなければもっと上に行けてた
色々騒いだけど点は取れてるんだよなぁ
ただ、DFは枚数が足りてても脆いw
ボナさんは無駄なドリブルしないからメネズより良い。
デストロの思いっきりのプレーやチャレンジする所は今後もミランに必要。
ローマ戦のファンヒンケルが攻撃的なプレーした所は大袈裟だが度肝を抜かれた。
ローマ戦から本田選手の人を生かすプレーでアバーテや攻撃人は選択肢が増えたから、やり易そうとは感じた。
後はボランチにレジスタが居ない事が大きいと感じる。ポーリの代わりになる選手もいないし
サパタがいい選手とか言わないで><
パレッタでした。苦笑