Ｕ―２３日本代表が目指すリオ五輪アジア最終予選突破に向け、ハリルジャパンが思わぬ足かせになりそうだ。 

昨年６月、Ａ代表はロシアＷ杯アジア２次予選初戦で超格下のシンガポール相手にまさかのスコアレスドロー。 この大失態が五輪出場を争うライバル国にこぞって研究され、Ｕ―２３代表が封じ込められようとしているのだ。 

１３日の北朝鮮戦で幸先いい白星スタートを切った手倉森ジャパンだが、“兄貴分”の大失態の影響をモロに受けてしまう事態が明らかになった。 

１６日のタイ戦に勝てば決勝トーナメント進出が決まるなか、手倉森誠監督（４８）は「タイの監督は（Ａ代表の）シンガポール戦が『勉強になっている』と話していたみたいだし、守りを固めてくるかもしれない」と警戒を強める。 

昨年６月のシンガポール戦では、ホーム開催ながら守備を固められた相手を崩せず、悪夢のスコアレスドロー。 超格下にもかかわらず勝てなかった事実は、アジアだけではなく世界をも逆の意味で驚かせた。 

それだけに、Ａ代表と同じくＦＷ陣の決定力不足が課題になっているＵ―２３代表にも、同じような手を考えるのは自然な流れだろう。 
実際、北朝鮮との今大会初戦では、ＤＦの植田直通（２１＝鹿島）が挙げた１点を守り切る展開。課題は横たわったままだ。 

もちろんＡ代表のシンガポール戦を参考にしているのは、タイに限った話ではない。 
どのライバル国も日本に点を取られたくなければ「しっかり守りを固めればいい」という選択肢に自信を持っているという。 

しかも戦術的な意味だけではなく、精神的にも「日本はくみしやすい」と思われるマイナス要素も見逃せない。 タイのメディア関係者は「（Ａ代表の）シンガポール戦が参考になる部分はある。 

それに、たとえ格下であっても日本に対して『そこまで強いという意識を持たなくてもいい』と思うようになっている」と指摘する。 
もはやアジアでは、Ｕ―２３日本代表は「強豪」の地位を失いつつあるということ。 

大会前から今大会で３位以内に入ってのリオ五輪切符獲得は困難と言われてきたが、まさかＡ代表が足を引っ張るとは…。 Ａ代表の将来を担う若き選手たちは、さらなる逆境をはねのけられるだろうか。 

1月16日(土)
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