ブンデスリーガ専門家がシーズン前半戦総括「サプライズはフランクフルト、ホッフェンハイム、ヘルタ」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161226-00531341-soccerk-socc

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12月18日にブンデスリーガ第16節が終了し、2016-17シーズンのドイツサッカーも冬季中断期間に突入した。そこでブンデスリーガ独語版は、かつてレヴァークーゼンのCEOを務め、現在はサッカーの専門家として各方面で活躍しているライナー・カルムント氏との独占インタビューを実施。今季前半戦について語ってもらった。

――あなたにとって、この半年間で特に成長を見せた3クラブとはどこでしょうか?

カルムント氏 まずはアイントラハト・フランクフルトですね。彼らは昨季、下から3番目の順位でシーズンを終えましたが、今ではトップレベルのチームの1つです。しかも今夏、選手の売却額は1000万ユーロ(約12億2000万円)であったのに対し、補強に使ったお金は250万ユーロ(約3億500万円)しかありません。にもかかわらず、彼らは上の順位にいるのですから。フランクフルトの次はホッフェンハイムでしょうか。彼らもフランクフルトと同様、昨季大きな問題を抱えており、順位は下から4番目でした。そしてヘルタ・ベルリンにも驚かされましたね。彼らはチームとして非常に機能していますよ。

――では次の質問にいきましょう。特に印象に残っている3試合はどれですか?

カルムント氏 先日(第16節に)行われたホッフェンハイム対ドルトムント、あとは4-4で終わった第2節のマインツ対ホッフェンハイム、そしてレヴァークーゼン対ライプツィヒですね(ライプツィヒが3-2で勝利)。レヴァークーゼンは2-1でリードし、3-1にするのも時間の問題かと思っていましたからね。中立のファンにとって、これらの試合は非常に面白かったと思います。

――今度は、驚きを覚えた3クラブです。

カルムント氏 ライプツィヒ、ホッフェンハイム、フランクフルトですね。まずライプツィヒですが、彼らはチームを成長させるために、明確なプランと巨大な資本を持っていますが、多くの若い選手が素晴らしいパフォーマンスを見せて、上の順位に居座り続けることは、まったく予想していませんでした。ホッフェンハイムも、(昨季後半戦と今季前半戦を足した)2016年の成績はバイエルン・ミュンヘン、ドルトムント、レヴァークーゼンに次いで4番目に良い成績です。彼らは1年前、散々な内容だったのですがね。そしてフランクフルトは降格危機を乗り越え、今では欧州カップ戦出場権を獲得できそうな位置にいます。彼ら3クラブは最高のパフォーマンスを見せてますね。

――では、前半戦でトップパフォーマンスを見せた3人の選手をあげてください。

カルムント氏 ナビ・ケイタ、エミル・フォースベルク、ピエールエメリック・オバメヤンです。ケイタは21歳という若さながら、ライプツィヒの中心人物です。彼のプレーを見ていると、本当に驚かされます。しかも彼はこの夏にオーストリアから来たばかりで、すぐにブンデスリーガに順応しました。ライプツィヒの尋常ではなく速いサッカーを支えているのはケイタなのです。フォースベルクもケイタとともにチームを支えています。オバメヤンは、スピードとゴールゲッターとしてのクオリティーを活かし、とんでもなく活躍していますね。ドルトムントが彼をこれからもずっとチームにとどまらせてくれることを願っていますよ。

――最後に監督です。印象的な3人の名前をあげてくれませんか。

カルムント氏 ナンバーワンはもちろんユリアン・ナーゲルスマンです。ホッフェンハイムの好調をこれからもキープし、成功をもたらすことができれば、おそらく近いうちに彼のところにはビッグクラブからの誘いが来るでしょう。2番目はラルフ・ハーゼンヒュットルでしょう。インゴルシュタットでは、2部から3部への降格危機にあった同クラブを残留させ、さらにクラブ史上初のブンデスリーガ昇格を達成しましたが、ライプツィヒでも同じように、この前半戦では大成功をもたらしました。3番目はケルンのペーター・シュテーガー、フランクフルトのニコ・コバチ、ヘルタのパル・ダールダイのいずれかでしょうね。


 
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代表で活躍の大迫。ケルンでの課題は何か?

https://www.footballchannel.jp/2016/12/23/post191275/

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大迫勇也

前半戦好調だった大迫勇也は全16試合に出場

 12月20・21日に行われた第16節で一区切りとなった16/17ドイツ・ブンデスリーガ1部。今季は8人の日本人選手が参戦しているが、ここまでの最多ゴールは大迫勇也(ケルン)、武藤嘉紀(マインツ)の2得点。香川真司(ドルトムント)も原口元気(ヘルタ)も宇佐美貴史(アウグスブルク)も得点ゼロ。

 昨季であれば香川が前半戦だけで4点、武藤が7点を叩き出していたし、一昨季は岡崎慎司(レスター、当時マインツ)が8点を奪って2シーズン連続2ケタゴールに近づいていた。しかし、今季は日本人アタッカー陣が物足りないと言わざるを得ない。

 前半戦好調だった大迫は全16試合に出場し、アントニー・モデストと2トップを組んで先発する機会が多かった。が、ここへきて負傷者続出もあり、再びトップ下での出場を強いられている。本人は12月17日のブレーメン戦後に「僕まで前行ったらチームが崩れちゃう。早くケガ人が戻ってほしい。(ゴール数を増やしたいなら)そこからじゃないですか」と苦渋の表情で語っていた。

 とはいえ、最前線で出ている時も大黒柱のモデストにボールを預けすぎる嫌いがあるのも確か。今季は自らペナルティエリア内をドリブル突破したり、強引にフィニッシュに持ち込む回数も増えたが、肝心なラストパスをモデストに送ってしまう場面も目についた。

「トニーと組む時が一番やりやすい。あっちも僕のことを信頼してくれるからボールも出してくれる」と彼は言っていたが、お互いに活かし合い、どちらも得点できる関係を確立させることが、後半戦に向けた課題だろう。

 大迫がトップ下に回ったことで出番を得たアルチョムス・ルドネフスが結果を出したため、FW争いは激化している。現状のままでは点取屋として及第点を与えられないだけに、今後はもっとゴールにこだわり続けるしかないだろう。




ケガで苦しんだ武藤。香川は競争激化で逆境に
https://www.footballchannel.jp/2016/12/23/post191275/2/

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武藤嘉紀 香川真司

 武藤は今季リーグ3試合、欧州リーグ(EL)2試合にしか出ていないが、それぞれ2点、1点とゴールという結果だけはしっかり残している。だが、9月29日のEL・FKガバラ戦での負傷が長引き、年内復帰は叶わなかった。今年1年はケガとの戦いが続き、持てる才能の半分も出し切れなかった印象だ。2017年は安定したプレーのできるフィジカルを維持することが最大のテーマと言える。

 ケガで苦しんだと言えば、香川も同じ。今季はリーグ戦6試合、チャンピオンズリーグ(CL)2試合と出場数が極端に少なかった。ボルシア・ドルトムント自体もマリオ・ゲッツェやアンドレ・シュールレらドイツ代表、あるいはラファエル・ゲレイロ・ウスマン・デンベレら若手の大量加入で攻撃陣の競争が激化。

 負傷続きの香川は逆境に立たされ続けた。2010年夏から合計5シーズン、ドイツでプレーする彼にとって、前半戦無得点というのは今季が初めて。それだけ大苦戦を強いられたのは間違いない。

「1人ひとりもっとできるクオリティがあるのに出せていない。今は個が立ったサッカーに尽きる。もっと連動性が必要になってきますし、守備を含めて課題は沢山ある。自分自身もハッキリ言ってコンディションは最悪。どんなこともポジティブに受け止めて、トレーニングからやり続けていくしかない」

 年内最終戦だった12月20日のアウグスブルクの後、本人も神妙な面持ちで語っていたが、この逆境を乗り越えなければ未来はない。香川は初心に返ってフレッシュな気持ちで出直しを図るべきなのかもしれない。



巻き返し図る宇佐美。原口は移籍も視野に?
https://www.footballchannel.jp/2016/12/23/post191275/3/

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宇佐美貴史 原口元気

 二度目のドイツ挑戦に踏み切った宇佐美も、前任のディルク・シュスター監督から構想外のような扱いを受け、かつてないほどの苦しみを味わった。12月に入ってマヌエル・バウム新監督が就任し、12月17日のボルシア・メンヘングラッドバッハ戦でようやく今季初先発のチャンスを得たものの、超守備的戦術で戦った年内最終戦だった20日のドルトムント戦は出番なし。指揮官の信頼がまだまだ薄いことを伺わせた。

「ドイツでボールを保持するスタイルを採っているのは上位6~7チームくらい。バイエルン(ミュンヘン)とかドルトムントというクラブに対して、1部下位のチームの戦い方が徹底しているというのは、ドイツでは結構あること。今日の左サイドは5バックの左まで落ちるシステムだったんで、そういう中で(自分)はまだ使いにくいと思われているのかな」と本人も厳しい現実を分析していた。

 だが、リーグ戦10戦出番なしの苦境にあえいだ時期も決して後ろ向きにはならなかった。自分自身の在り方をピッチ内外から多角的に検証し、細部に至るまで改善を行ってきた。自らフィジカルコーチを捕まえて負荷の高い自主練を行うなど、過去の宇佐美からは想像できない自主性、積極性も前面に押し出した。

 こうした努力はまだ結実していないが、新指揮官の下でチャンスが増えていくのは間違いない。「後半戦も今と同じ状況じゃ話にならないし、もう下積みというか、積み上げ作業は半年で十分。それを試合にぶつけるシーズン後半戦にしたい」と巻き返しを誓っていた。

 こうした面々と原口はやや境遇が異なる。日本代表では完全なる点取屋の彼はヘルタ・ベルリンでは守備に比重を置いたサイドアタッカー。今季16試合中15試合に出場し、スプリント回数や走行距離、デュエル勝率などはチームトップクラスを維持し続けたものの、得点に至るチャンスは極端に少ない。そこがゴール数の伸び悩んだ最大要因だと本人も捉えているのだ。

「自分には『欧州で年間10点をコンスタントに取れる選手』という目標があるけど、今の環境でシーズン10点は難しい。ヘルタでまだまだ伸びる部分もあるけど、伸ばせない部分もあるんで、ステップアップも考えています。前目でもう少しボールを持てたり、いい形でボールが入る環境も視野に入れたい」と原口は移籍も考え始めている様子なのだ。

 そういう理想的な環境がすぐ見つかれば、この冬の移籍もあり得るだろうが、簡単ではないかもしれない。ただ、本人が強く求める得点力を身に着けたいのなら、思い切った一歩を踏み出す必要があるのは確かだろう。




ブンデス組、合格点は誰か?

https://www.footballchannel.jp/2016/12/23/post191275/4/

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内田篤人

内田篤人は12月8日のEL・ザルツブルク戦で1年9ヶ月ぶりの公式戦復帰を果たした
 各々の状況を踏まえ、辛うじて合格点を与えられる攻撃陣は、大迫と原口くらいか。残りの選手は後半戦の逆襲が強く求められてくる。

 一方、長谷部誠(フランクフルト)と酒井高徳(HSV)の両守備陣は奮闘を見せたと言っていい。長谷部は今季13試合に出場。本職のボランチからリベロ、右サイドと幅広い役割を担い、ニコ・コバチ監督から絶大な信頼を得た。

 2018年までの契約延長も明らかにされ、本人も充実感を色濃く押し出している。リベロの仕事には満足していないが、最後尾からチーム全体を見渡すことは、ボランチをやるうえでも悪くない経験。それを代表にも生かしてくれればいい。

 一方の酒井高徳はHSVの監督交代がありながらレギュラーを死守。シーズン途中にはサイドバックからボランチにコンバートされたが、持ち前の球際の激しさを最大限発揮してチームを支えた。さらにキャプテンにも任命され、メンタル的にも一皮むけた印象だ。彼ら2人は高評価を与えられるべき。その調子で後半戦もチーム勝利に貢献してもらいたい。

 そして最後に内田篤人(シャルケ)だが、12月8日のEL・ザルツブルク戦で1年9ヶ月ぶりの公式戦復帰を果たしたが、チーム内の序列は決して高くない。長いブランクを埋め、競争に打ち勝っていく作業が本格化するのは後半戦からだ。

 本人もこれまでの実績を一度捨てて、ゼロから定位置奪取に挑んでいくしかない。インテリジェンス溢れる内田ならどうすればいいか分かっているはず。2017年の本格復帰を期待したい。

(取材・文:元川悦子)




ウイニングイレブン2017

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