サッカー_01

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日本サッカー協会は31日、ロシアワールドカップに出場する日本代表メンバー23人を発表した。西野朗監督による選考は英国人ジャーナリストにはどのように映ったのだろうか。日本サッカーを10年近く取材し、31日の記者会見にも出席していたショーン・キャロル氏に話をうかがった。 

●「前回大会とほぼ同じ。ザックジャパンみたい」

ーーロシアワールドカップに出場する23人が発表されました。率直な感想を聞かせてください。

「ワールドカップ直前の記者会見だったけど、変な雰囲気だった。今、僕は原口元気に話しを聞いてきたけど、『ちょっと暗い』と言っていた。『このメンバーしかいない』という雰囲気でちょっと面白かった。僕はそうは思わないけど、メンバーは予想通りだった。(ヴァイッド・)ハリルホジッチ監督がクビにされた時に、このようなメンバーになりそうなのはわかっていた。経験のある香川(真司)、本田(圭佑)、岡崎(慎司)が帰ってくる。一番びっくりしたのは久保(裕也)の落選だね」

ーーガーナ戦に招集された26人から外れたのは、チームの中で最も若い3人でした。

「久保や堂安(律)、中島(翔哉)、浅野(拓磨)、井手口(陽介)、三竿(健斗)のような若い選手たちがいないのは本当に残念。ハリルホジッチ監督は3年間、若い選手を使いたがって、彼はそのことを記者会見で何度も言っていた。最も決定的だった試合、オーストラリア戦は本田、香川、岡崎が出なかった。ハリルホジッチ監督は『新しい日本を作っているよ』『新しい日本でも勝てるよ』と伝えたかったんだと思うけど、結局解任されてしまった。そして今回のチームの中でベストなイレブンは前回大会とほぼ同じ。ザックジャパンみたいだなと思った。

ハリルホジッチ監督は全てがパーフェクトだったわけではないけれど、ワールドカップはその大会だけでなく、4年間のサイクルの成果が重要になる。ハリルホジッチ監督の3年間の仕事を無駄にしてしまった。本来はハリルホジッチ監督とともに3年間かけて作ってきたチームの集大成になるはずだったけど、今回発表されたメンバーは違う。経験だけでなく、発展も大事。三竿のような選手は試合に出るかはわからないけど、ワールドカップの雰囲気に慣れて4年後に生かすために選ぶべきだった。

勝たなければいけない状況で起用するため、堂安や久保を入れても良かった。中島も親善試合でゴールを決めた。このメンバーを見ると、もしゴールが必要な時に誰を投入するかが難しい。あまり目立っている選手がいない」


●「本田にはゴールを奪える匂いがある」

ーーショーンさんの母国イングランドでもワールドカップには必ず将来有望な若手を連れていきますか?

「僕は西野監督の記者会見中、『このメンバーは2010年のイングランド代表に似ている』と思った。あの時は有名な選手ばかり選んだオールスターみたいだった。(フランク・)ランパードや(スティーブン・)ジェラードがチームとして機能しないことはみんなわかっていたけど、ネームバリューで選んでいた。今回の日本代表もそうだなと思った。有名な選手ばかりだし、西野監督のコメントも香川や本田のことについてばかり。監督の言葉にはポジティブな雰囲気があまり感じられず、正直に言って僕はそんなに楽しみではない」

ーーこのチームでワールドカップを戦うにあたって、ベストな形を想像できますか?

「急に本田や香川、岡崎を使わなくなることはないと思うけど、少しずつ外れていった方がいい。そして本来なら浅野や久保といた若い選手たちが入ってくるべきだった。久保のような0から1を生み出せる選手が必要だったと思う。オーストラリア戦は井手口も浅野も決定的な働きをした。でも、この4年間で香川が活躍したシーンを僕は覚えていないけど…」

ーー本田はまだ日本代表に必要だと思いますか?

「本田は確かに2年くらい日本代表でゴールを決めていないけれど、彼はワールドカップの舞台で結果を残している。本田にはゴールを奪える匂いがある。やっぱり彼は決められるかなと思う。精神的支柱としても重要。だけど香川はその匂いがしないし、チャンスメイクもあまりしない」

ーーでは、香川はなぜ「10番」なのでしょうか?

「まあ、イングランド人にとって背番号は重要ではない。もし重要だとしても、今の日本代表で誰が『10番』かと言われたら、本田でしょう? 彼が一番『10番』っぽいけど、『4番』にしたい。僕がもしJFAやスポンサーから『10番が一番大事だけど、誰を選ぶ?』と言われたら、本田にする。チームの顔になる。正直に言えば、背番号はただの番号だと思う」


●「現時点ではグループリーグを突破するのも難しい」

ーーガーナ戦で3バックを採用しましたが、23人のメンバーが発表されて、改めてあのシステムを続けるべきだと思いますか?

「遅すぎたと思う。本来なら日本の選手は3バックでプレーできると思うし、守備も強くなるはず。だけど、まだ選手たちが慣れていないから、この遅い時期にシステムを変えるのは難しいと思う。もし西野監督が3バックでやりたいなら、スイス戦とパラグアイ戦は最初から最後まで3バックしかやらない、練習でも3バックしかやらない…という感じにした方がいいと思う。もちろんこの10年間くらいずっとそうだったように、4バックの方がいいとは思うけど」

ーーガーナ戦と23人の最終メンバー発表を受けて、ショーンさんは日本代表が現実的にどこまで勝ち進めると考えていますか?

「ベスト16までは行ってほしい。決勝トーナメント1回戦まで行ったらイングランドと直接対決になるかもしれない。ただ、現時点ではグループリーグを突破するのも難しいと思う。どこまでいけるかと言ったら、グループリーグは3位かな…。コロンビアやポーランドからは勝ち点1すらも奪うのが難しいと思う。セネガルは少し可能性がある。初戦のコロンビア戦で自信を失わないようなパフォーマンスを披露することが重要。昨日のガーナ戦や、4年前の試合のようなプレーをしてしまうと、自信を保つのは難しくなる」

ーー決勝トーナメントで日本代表とイングランド代表が対戦したらどちらを応援しますか?

「僕はちょっと変だから、そんなにイングランドファンではないし、日本を応援するかもしれない。なぜかと言うと、日本に住んでこの9年間はずっと日本のサッカーを取材したり、選手の成長を近くで見られたから、彼らの方が身近な存在。イングランドの選手はテレビで見る有名人という感じ」


●ショーン・キャロル氏が注目する選手は?

ーーショーンさんが日本代表の23人の中で注目している選手はいますか?

「1人を挙げるとしたらストライカーの大迫(勇也)だね。日本にはそんなに多くのチャンスが来ないだろうから、1チャンスで1ゴールを決めなければいけない。1試合で必ず1つはチャンスが来る。そのチャンスを決めきらなければ勝つことはできない。逆にディフェンスなら、吉田麻也。彼は『4年前はなぜかわからないが100%のコンディションでプレーできなかったので、今回は絶対に100%でプレーしたい』と言っていた。もし吉田がいいパフォーマンスを見せたら、日本の守備はもっと堅くなると思う」

「中盤からは柴崎(岳)を挙げたい。ガーナ戦では彼が入ってからチーム全体に縦パスが増えだした。アジアカップでも柴崎が入ってきてから同点ゴールを決められた試合があった。彼には攻撃を活性化させるポテンシャルがあると思う。クラブワールドカップでもレアル・マドリー相手に全然プレッシャーを感じなかった様子で2ゴールを奪った。成長は取材エリアでも見えていて、スペインに行く前はあまりメディアに話したくないという姿勢があったけど、今は本当の大人、代表レベルの選手になったと思う。大迫、吉田、柴崎の3人がいいパフォーマンスを見せたら、日本が決勝トーナメントに勝ち上がる可能性は上がると思う」

▽語り手:ショーン・キャロル
1985年、イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180601-00010001-footballc-socc


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